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「えと、……朝から付き合わせて、ごめんね」 「いや……」  ――そうか。  髪型のせいかもしれない。  普段は元気に結ばれている髪が、今日は肩の下まで下りている。  よく見ると、服装も……何というか、いつもよりお嬢様っぽい気がする。  学校や公園に着て行ったらあっという間に汚れてしまいそうな真っ白いコートは触り心地が良さそうで、思わず手を伸ばして撫でたくなる。  ――可愛いな。ミミぴょんみたいで。  ぼんやり見惚れていた俺は、下から聞こえた「にゃー」という鳴き声で我に返った。  身を屈め、亜優の足元に置かれた白いキャリーケースの天窓から中を覗くと、ミミぴょんがこちらを見上げ、「うにゃ」と目を細めた。  顔を覚えていてくれたのかな、と嬉しくなる。
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