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*****  お風呂から上がり、リビングでテレビを観ながらソーダアイスを食べていた時、電話が鳴った。 「拓己、亜優ちゃんから」 「……」  母さんが差し出してくれたお皿の上にアイスを置き、急いで子機を受け取る。 「――もしもし」 『拓己?』 「うん」 『ごめんね、遅くに』 「いや、起きてたから、別に」 『今日は野球、おつかれさま』 「ああ、うん」  キッチンにいる母さんに背を向け、アイスの乗った皿を手にリビングのソファに引き返す。  亜優からの電話なんて、今まで数えるほどしかかかって来たことが無いので、平静を装いつつも俺はかなり動揺していた。
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