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 俺は子機を耳に当てたまま立ち上がり、ソファの周りをぐるりと一周し、再び元の場所に腰を下ろした。 「楽しそうだね」 『うん。俊輔なんてさっきからテンション上がっちゃって、――あ、俊輔!ダメ、そんなことしちゃ。 ミーちゃんが嫌がってるでしょ。 ……あ、やだ、くすぐったい、ちょっ、やだ、やめてってば俊輔、――もう!』  亜優の、嫌がりながらもキャッキャとはしゃぐような声の後ろから、ふへへへへ、という締まらない笑い声。 「……」  何だか二人のイチャイチャを聞かされている気分になり、馬鹿らしく思えて来た。
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