終章

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 最近気づいたことだけど、亜優のためなら、俺は少し強くなれるみたいだ。  あいつに泣かれたら本当にどうしていいか分からないから、出来ればいつも笑っていてほしいと思う。  そのためなら大抵のことは出来ると思うし、自分のことより頑張れる気がする。  誰かに対してこんな風に思ったのは初めてのことだから、自分でもこの気持ちが何なのか、よくわからないけど。 『初恋ってのは、大人になって振り返った時、初めて”あれがそうだったのかも”って認識するものじゃないかな。 今は無理に“ハツコイ”って名前を付けなくても、ただ、“初めて誰かのために強くなりたいと思えた”みたいな、――そういうふわっとした想いってことで、十分なんだよ』
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