平安異譚  源 雷禅の巻 1章

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第二話 辺りをうかがう雷禅 さらに奥まった所で 傷ついた一人の盗賊をみつけ「これ、しっかりしろ、何にやられたのじゃ?」と訊ねるも「恐ろしい金色の獣にやら・・」絶命しました。 「うーむ、金色の獣とな?」と一人考える雷禅 近くの 藪がガサガサし出し 刀に手をかけ見つめるや その藪を分けて 出てきた狩人一人 痩せて目付きの鋭い若者です 「ん?都の侍がこんなとこで何してるんだ?」 「わしは、都を暴れまわった盗賊を追ってきたのじゃが、この有り様。お主は、この辺りの狩人か?」 「そうだが、早く立ち去った方がいい、ここは危険なところだから」 「わしの名は、源 雷禅、一つ聞きたいのだが、金色の獣とはなんじゃ?」 「私は三郎と言います。見ての通り狩人。貴方は何故、金色の獣を知っているのですか?」 雷禅 先ほど亡くなった盗賊から聞いたこと そして そんな危険な獣が 都から離れているとは言え捨て置けないと伝えるや かの若者 金色の獣について。金毛の狼三頭のこと、そいつらは もはや化け物だということ、三郎の仲間たち、名人であった父まで やつらの恐ろしい陥井に嵌まり 皆殺しにされたこと。彼 三郎はたまたま、矢を作る仕事を任されていて 助かったこと。狩人の村はみな逃げ去ったこと。 など いつの間にか 話し込んでいて。 日が傾いてきたのを期に三郎「さあ。お帰りなさい、夕刻過ぎたら、夜目の利かない人では危険だ」と促すも。 「いや、わしもそやつら退治の手伝いをしたい」と懇願する雷禅に 困った顔の 狩人 三郎 いやはや さて? どうなるのか?
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