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「はっきり言って、足手まとい、邪魔をしないで貰いたい」と狩人 三郎 きつく言うも
雷禅「己の身体くらい守れるわ。かんらかんら」と笑いだすのに 呆れ顔の三郎。
しかし
もはや 安全に帰ることなど出来ない状況に陥っていました。
藪から抜け出た二人のいる広場
周りをいつの間にか狼の大群が包囲していました。
気づいた雷禅「どうも、奴ら、統率取れた動きしているな」と 三郎に言えば「これが、金毛狼のやり方、配下の狼に攻撃させ、我らが疲れて、矢が無くなった時に、三頭が一斉に襲いかかる。これで弓の名人だった父もやられたそうです」
二人 辺りをうかがい いつでも戦える体勢に
ばさばさと 一羽の雉が 飛び立った瞬間
配下の狼が 突如 飛びかかってきました。
雷禅 刀を抜くや 一閃 二閃と 叩っ斬り 一方 三郎
素早く 矢を放ち 数頭の狼を射抜き 倒しました。
しかし 包囲網を張っている狼の数一向に減るようには見えず。
雷禅「矢は足りるのか?」と尋ねるも
背中にある矢をありったけ放ち続ける三郎の様子に
はて?となるが
雷禅 目の前の襲いくる奴らを ばっさ!ばっさ!と斬り続け。
あっ!
三郎の背中の矢筒に 矢が残り一本になり
雷禅 そちらへ 駆け寄ろうとするを制した 三郎
なんと
藪に生えた一本の大木へ 駆け寄り
その洞に 隠してあった矢筒を 取りだし 背に再び背負い
また 一矢 二矢と
狼を射ちとっていきます。
「やつらの数に対抗して、こうやっていくつも、矢を隠してあるのさ」と
得意気に 笑う 三郎に
雷禅 自分と同じような 余裕を感じ
戦いを 楽しみはじめています。
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