平安異譚  源 雷禅の巻 1章

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第三話 あれだけ いた 狼たちも 数が目減りして 金毛の狼三頭 痺れを切らしたか? 新たな作戦に切り換えてきました。 突如 雷禅に 狼を集中させはじめ 何頭も何頭も 攻撃してきます。 雷禅 慌てず 一閃 二閃 と切り続けるも 次第に 足元 袖など絡みついてくるのに 些か鬱陶しくなり。 やつらは、雷禅に攻撃を集中させれば 三郎が簡単に矢を射ることが出来ぬと 思ったようで。 が、三郎 雷禅を避けて 狼を確実に仕留めていきます。 金毛狼たち あてが外れたか? しかし これも 奴らの作戦でした。 雷禅近くの狼に狙いを定めている三郎に 奴ら 金毛三頭の狼 それこそ矢のごとき速さで 三方から 三郎に襲いかかりました。 雷禅も 周囲の狼相手に しながら「これはまずい!」と思った瞬間 三郎が放った矢は なんと 三方向に跳び 金毛三頭に見事命中! 三頭とも ばったり 倒れました。 雷禅に襲いかかっていた狼たち いきなり 統率がなくなり 数頭 また 斬られ 逃げて行きました。 「見事じゃの、その弓術」と 雷禅 三郎へ近づき 三郎照れながら「三吉の滝で、三方向に矢を当てる様に修業したからなあ。最後まで、切り札にしていたんだ。」と矢を矢筒に戻した その時 金毛狼の一番でかいやつが 突如 三郎へ 飛びかかりました。 が。 シャキ~ン! 一閃 雷禅により お見事! でかい奴の首は、ばっさり!切り飛ばされ 「油断は禁物じゃのぉ」と 雷禅 刀を鞘に納め 三郎に 笑いかけた瞬間 今度は 切り放たれた 頭が 突如 雷禅に 飛びかかりました! ぱっ!っ 次は 三郎 目にも止まらぬ早業で 矢を放ち その頭を 射抜き! 「ほんに、油断は禁物ですなあ」と 二人 大笑いとなりましたね。 どうやら 今度こそ 金毛狼 絶命したようです。
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