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平安異譚 源 雷禅の巻
第三話つづき
倒した 金毛狼たちの死骸を穴に埋めて。
「源 雷禅さま この度は助かりました。やっと父たちの仇を討つことができ。感謝いたします。」
「いや、こちらこそ楽しませてもろうたわ。しかし見事な戦いぶりであったなぁ、、、村もなくなり、これからお主はどうするのじゃ?。よければ、わしと一緒に都へ来ぬか?」と雷禅問わば
「行ってみとう思いますが、私なんぞ役にはたてませぬゆえ」
「はは!先ほどのお主の戦いぶりならば、思う存分暴れられるぞ、今の都には、盗賊だけでなく、もののけや鬼が魃去しておるゆえな。」
「私は侍ではないのですが」
「なぁに、都の侍たちより、余程お主の方が強いわ。かんらかんら!」
戸惑う 三郎。
が
意を決して。
「ならばお供させてください」
雷禅 三郎の持つ強い弓を眺め「その強弓、まるで三日月のようじゃのぉ。弧月と名付けてはいかがじゃ。そうそう、お主も、名前、弓月丸としては?」と
「弧月に。弓月丸ですか。なんか本物の侍になったようですね。」照れた顔がまた綺麗な若者。
これが 豪傑 源 雷禅と 弓の名手 弓月丸の 出会いでした。
さて 二人が 都に やってきて 数ヵ月
弓月丸 盗賊などの討伐に 雷禅のもと 大活躍。
そして 雷禅に 剣術も習い 腕をあげ。。。
雷禅も みるみるうちに 幾人もの 侍たちを束ねる 大将に なっております。
その頃
烏丸付近にて
何やら 盗賊とも もののけとも わからぬ 不気味な 輩が 出没して、姫を拐っていくと 噂が 持ちきりに。
夜の見廻りを 雷禅 夜目のきく 弓月丸と 共に しておりました。
下弦の月が 夜道を少しだけ 照らしていた その晩
なにやら 起きそうな 胸騒ぎが。。。。
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