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椅子に浅く腰掛け熱いココアに息を吹き掛けながら、彼女は足をぶらぶらと動かす。
「一日歩きどおしだったから、足が疲れちゃった。」
「お疲れさま。お風呂わかしてありますから、夕食を食べたらゆっくり疲れを癒してくださいね。」
「ありがとう。あなた、優しいのね。見ず知らずの私にこんなにいろいろしてくれて。」
「ははは。ありがとうございます。」
優しくも、見ず知らずでもない。
この台詞を言われる度、いつも僕は心がちくりと痛む。
言うべき言葉は、告げたくない真実だ。
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