第十二章 アマゾネス

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伝書鳩...... かなり原始的な通信手段とは言えるが、大自然の真っ只中と言えるこの場所において、目立つ事も無くかなり効果的な手段と言えよう。実に理に適っている。 最新の機器を使う事が、イコール最適な手段とは限らない。 なるほどね......エマはただ感心するばかりだった。 そうだ......少なくとも珠は、現時点で私よりも色々な情報を入手しているはず...... こっちはまだ入口に足を踏み入れたばかりで、まだこの先のビジョンが何一つ定まっていない。 解らない事を聞いてみよう...... とは言え、公安の機密情報をそう簡単に教えてくれるとも思えなかった。せめて道標だけでも引き出せたなら儲けものだ。 まぁ......ダメ元だ。聞くだけ聞いてみよう。 「あのう......」 「エマさん。悪いがここから引き上げてくれないか?!」 突然、珠はエマの発言を遮った。 そしてその後に放たれた言葉は、エマにとって実に想定外の内容と言わざるを得なかった。 帰れだって?! エマは動揺を隠せない。俄に表情が強ばり始める。 「正直言って迷惑なんだ......仕事がやりづらくて仕方が無い。このままだと二人とも必ず命を落とす。 憧れのエマさんにこんな事言うのは結構辛いんだけど......どうか察して欲しい」 珠は苦渋の表情を浮かべていた。 結構強そうに見えて、意外とナイーブな性格なのかも知れない。 そんな珠に対し、エマは至極淡々と答える。 「ごめんね珠さん。私もあなたと同じ......使命を受けてここに潜り込んでるの。 決して興味本意で来てる訳じゃ無い。申し訳無いけど、それは受け入れられない」
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