第十二章 アマゾネス

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「エマさん、あまり長居も良くない。居ないのがバレると厄介だしな......そろそろ戻ろうか」 珠は表情を引き締めながら徐に立ち上がった。それに反応するかのように、頭上の鳩達がざわめき始める。 バサバサ...... バサバサ...... そんな鳩達のざわめく様子を見詰めながら、エマは立ち上がる珠に待ったを掛けた。 「珠さんその前にちょっとだけ教えて。『アマゾネス』って何? それと今珠さんが調べてる事って......」 仕来たり、作法で塗り固められた厳しい修行僧生活......しかも団体生活ときている。 珠と今日のように秘密裏な情報交換を行える機会など、そうめったにあるものでは無い。 聞ける時に、聞けるだけ聞いておかなければ...... エマは方膝をつき身を乗り出した。殺気すら感じる程だ。 「『アマゾネス』はストレートに言うと、組織の為なら合法、非合法に関わらず、何でもやって退けるエリート殺人集団。しかも全員女ときてる。 この話を始めると1時間は掛かっちゃうから、今日はここまでで勘弁して。またいつか話してあげるから。 それと......なんだっけ。そうそう......あたしが今探ってるのは、御守り。『出雲大社』の御守りよ」 「御守り? 出雲大社?」 エマは不可思議な表情を浮かべながら珠の顔を見詰める。
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