第十三章 白昼の悪夢

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三人はイモムシの如く『BAR SHARK』の奥扉の向こう側、『EMA探偵事務所』へと下がって行った。 一度この事務所へ引き込んでしまうと、次にここを出れるのは、店の閉店後と決まっている。 12時間はそれにしても長い...... 3人はいつもの如く、応接ソファーに向かい合って腰掛ける。 すると、何と無しに麗子が世間話の如く会話を持ち掛けた。 「ちょっと不思議に思ってた事があるの。あたしはさぁ、不穏な動きを見せる『富士国』にメスを入れようとしてた訳だから、奴等が是が非でも殺そうとしたのは解るわよ。 でもあんたはさぁ、ただ金で雇われてあたしを殺そうとして失敗しただけじゃない。帝徳ホテルをあんな騒ぎにして、しかもあんな大掛かりで追い掛ける程の事かしら。 しかも美緒さんだっけ? あんたと引き換えに娘さん誘拐されたんでしょう。普通そこまでやる?」 麗子は鼻をほじりながら、口をひん曲げて未来に問い掛けた。 シャンソンの女王がビックリだ。所詮カメラが向いていなければ、ただの中高年女性に戻ってしまうのだろうか。 「でも自分が警察に逃げ込んだら、奴等も困るんじゃないかな?」 未来がそれに対し反論する。麗子の言を『お前なんか殺す意味が無い』そんなふうに解釈したのだろう。生意気にも、ちょっと不満顔だ。
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