第十三章 白昼の悪夢

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そんな未来の表情の変化に、麗子はすかさずカウンターパンチを繰り出す。 「あんたは、精々その『御守り』にでもすがってたらどう? 自分一人じゃ何にも出来ないんだから!」 そう言い放った麗子の目は、未来の首にぶら下げられた『御守り』に向けられていた。 「そうイエバ、未来クンいつもその御守り必ず首にぶら下げてルネ。大事なモノなのカイ?」 「ああ......これ。出雲大社の御守り。貰いもん」 「ふーん、出雲大社ね......」 「......」 その会話に関しては、誰も絡み付く事も無く、なぜか緩やかにフェードアウト。 特に気に留める程の内容でも無いと、誰もが判断したのだろう。 やがて扉一枚隔てた『BAR SHARK』では、今にも慌ただしいランチが始まろうとしていた。 客は店を選ぶ権利があるが、店は客を選ぶ権利は無い。所謂、来る者は拒まずと言う構図だ。 今正に、OLの衣装を纏った4人の女性客が『BAR SHARK』へと降りる階段に、足を掛け始めていた。 静岡訛りを隠し切れない、ちょっと目が鋭い美人四人衆。 トントントン...... トントントン...... モデル紛いの容姿で、ゆっくりと階段を降りて行く。 彼女らはランチを食べに来たのか、それとも他に何か目的があるのか? それは彼女らが店に来てみればすぐに解る事。 焦る程の事も無い。
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