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事務所の応接ソファーにだらしなくふんぞり返る穴熊三人衆。
彼らのこの時間における唯一の仕事と言えば、各所に配置された防犯カメラのチェック位だ。
三人でボカンと見詰め続けているのも、余りにバカらしい。
そんな訳で、いつの間にか当番制が確立されていた。
いつもの如くトップバッターは未来。自分の命を守る為の大事な仕事だ。
単調ではあるが、いつも真面目に仕事をこなす未来だった。
今日ものっけから、モニターの前に正座して実況中継を始めた。
「はい、11時半になりました。おや、早くもランチタイムのお客さん登場。チビデブサラリーマン男性2名が階段を降りて行きます。へい、いらっしゃい!」
モニターに映った映像を、そのまま中継すると言うそのやり方は、何も遊びで無ければ、趣味と言う訳でも無い。
彼なりに考え出した居眠り防止策に他ならなかった。ただ単調な映像を何時間も見続けていたならば、誰でも睡魔が襲ってくるものだ。
仕事を真面目にこなそうと言う、彼のそれなりの努力が伺えた。
ギー、バタン。
やがて店の扉を開ける音がリアルに聞こえて来る。あまり防音はされていない造りのようだ。
チビデブか......
イケメンと中継すれば、すぐにでも起き上がって来る麗子も『チビデブ』ではピクリとも動かない。口を開けて寝たままだ。
「はい、続いて4名様、今度はOLさんです。おっとこれは四人共凄い美人だ! おまけにスタイル抜群だ!」
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