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しかし、マスター自慢のセメントオールバックが、爆風でなびくまでには大した時間を要さなかった。
「構えっ!」
アマゾネスの甲高い声が響き渡る。
そして......
「撃て!」
ドカーンッ!!!
「のうわぁー!」
「「うわぁー!」」
まるで大地震でも起きたのか?
それとも巨大隕石でも降って来たのか?
広大な戦場で放たれたとしても、とてつもない衝撃を誇るバズーカ砲が、この狭い地下の店内で撃ち放たれたのだ。しかも至近距離で。その衝撃は想像を絶するものがあった。
密室とも言えるその小さな空間は、小石やら粉塵やらが見事に宙を舞い、それらが雹の如く頭の上に降り落ちて来る。
バサバサバサ!
「痛い、痛い!」
つい先程まで、景気良くオールディーズを奏で続けていた古臭いジュークボックスは、いつの間にその明かりを消していた。
見れば瓦礫に埋まっている。エマが見たら大層ショックを受けるに違いない。
そして......
いく筋もの鉄筋が埋め込まれた厚さ30センチの対テロ垂れ壁は、無惨にも大きな風穴が開けられていた。
1、2、3、4。
全く同じ身なりに全く同じ顔のアマゾネスは、全く同じ動きで縦一列になり、全く同じステップで壁をまたいで入り込んで来る。どう見ても軍隊アリにしか見えない。
こいつらは本当に人間なのか? この光景をまともに見たら、誰もがそんな疑問を抱くに違いない。
心を持たない冷酷殺人マシーン......
もし彼女らを例えるといたら、正にそんなコピーが一番しっくりとくるのかも知れない。
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