第十四章 マンタ洞窟

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「あれが『マンタ洞窟』の入口か!」 「そうね。あの中にももちゃんが......」 「そうそう......ここだよ。俺があんたの娘さんを連れて来た場所は」 何やら助手席の足元から男の声が。 「おい、健介。お前の出番はまだ先だ。あちこちに防犯カメラが設置されてんだ。もう少し大人しく隠れてろ。顔出すんじゃねえぞ!」 「でもこの態勢......ちょっと股間が痛いんだけど」 「自分が悪いんでしょう。我慢なさい」 「へい、へい、へい......」 ガタガタガタ...... ガタガタガタ...... 三人の若者と大量のゴムを乗せた古びたトラックは、どんどん加速を加えて行き、やがて『マンタの洞窟』の口に飲み込まれて行った。
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