第十四章 マンタ洞窟

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「はい、OK。積み降ろし完了!」 作業員は額に浮かんだ汗を袖で拭いながら、声を張り上げた。 洞窟の中は幾分気温が保たれているとは言え、外は樹氷が広がる真冬の世界。皆の吐く息が真っ白に浮かび上がっている。 「おう、ありがとよ」 圭一は作業員達に一言労いの声を掛けると、素早くトラックに乗り込みエンジンに火を点した。 ブルルン。 ガーッ...... ............ ............ 重い積み荷を下ろしきったトラックは、往路の時に比べて明らかに車高が高い。マンタ洞窟の一本道を快調に走り抜けて行った。 ガガガガガ...... ガガガガガ...... 「ああ、戻って来やがったな......全くムカつく野郎だ!」 ゲートの手前では、先程圭一と揉めた警備員が未だ納得がいっていないのか、怒りあらわに歯軋りをしている。 「もう、止めとけよ。暴れると、またどやされるぞ」 「解ってるって。ちきしょう!」 湯タンポのように顔を赤らめた警備員は、目の前を通過するトラックに足元の小石を蹴り飛ばした。 エイっ! ガツッ! 石は高速回転するトラックの前輪にあたり、更なる勢いを加えて跳ね返って来た。まるで石に紐でも付いているようだ。 ゴツン! 「うわぁ!」 石は見事、警備員のおでこに直撃。まるで漫画を見ているような光景だ。 「いってぇ......」 「......」
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