第十四章 マンタ洞窟

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「どうぞご自由に..,..」 圭一はそんな美緒にはお構い無く、気付けばイビキを掻き始め、すでに夢の世界に旅立っていた。 ガー、ガー、ガー...... そんな無邪気な圭一の寝顔を横目で見詰めながら、遅れて防寒具をまとい始める美緒。 ............ ............ 「しょうかないわね」 ............ ............ 「今日だけよ」 ............ ............ 何がしょうがないのかはよく解らない。 美緒は圭一の腕を枕代わりにして、寄り添うように身を委ねた。 スー、スー...... 気付けば一瞬にして美緒も夢の中。 無理もない...... ももが誘拐されてからと言うもの、二人、取り分け美緒に至っては、殆ど睡眠らしい睡眠を取っていなかった。 昼夜を問わず捜査を続けていた事に加え、娘を誘拐された母の心境を考えれば、悠長に睡眠など取れる訳も無かった。 ガー、ガー、ガー...... スー、スー、スー...... イビキと寝息の大合唱は真冬の樹海の森に響き渡る。 目を覚ました後、次はまたいつ寝れる時が来ることやら......
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