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こんな蹴りをまともに喰らっていたら、今頃顔の骨は陥没していただろう。
エマは直ぐ様、肘にめり込んだ刺客の右足を掴み、掛け声一発、その者の身体もろとも池へと投げ込んだ。
「テヤァー!」
刺客の細い身体は渦を巻くように回転しながら、見事池へと沈んで行く。
バシャーン! 「キャー! 」
見事3人目の着水だ。
エマはパンパンと手を叩くと、鋭い目付きでゆっくりと後ろへ振り返った。
その目は完全にスイッチがON。もう誰にも止められない。
すると目の前には、今突きを空振りしたばかりの刺客が、いかにも弱々しい表情を浮かべながら立ち尽くしている。
「さぁ、行くよー!」
エマは一声気合いを入れ、将棋の香車の如く激しい突進を開始した。
タッ、タッ、タッ......
すると......
「ひぇー!」
すでに戦意は喪失。意気地を捨てた刺客は、
バシャーン! 「キャー! ちめたい!」
自ら池へと飛び込み、残りはあっと言う間に2人となった。
ここまでの戦い振りを見ると、明らかにエマの圧勝のように見える。
しかし実際の所、目に見える程の差は無かった。
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