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深さ1m程度。決して深いとは言えないその池も、立ち上がれなければ、身体は引力に任せ沈んで行く。
最初は勝ち誇り、笑っていた6人も、徐々に沈んで行くエマを見ているうちに、さすがにちとまずいとでも思ったのだろう。
「しょうがないな......」
6人は互いにアイコンタクトを取ると、挙ってエマの身体を支え起こした。
エマからしてみれば、むしろ普通に歩いている彼女等の方が気違いに思えてならない。
「うえっ、水飲んだ。うえっ......」
エマは飲み込んだ水を吐き出しながら嗚咽していた。
そんなエマの様子を、呆れた眼差しで見詰める6人。
「ちょっとしっかりしてよ『隊長』さん。これからずっと私達の面倒みるんだよ。大丈夫? 情けないなあ......」
「『隊長』?......」
エマは虚ろな目で聞き返した。
「そうだよ。あんた今日から私達の頭なんだよ。それにしても強いね。ビックリしちゃった」
「こんな強い人今まで見た事無い。命預けるんだから、頼むよ」
「宜しく!」
「宜しくね!」
「池に落として悪しからず。ごめんね!」
「こんど座頭市攻撃教えてね」
「「ハッ、ハッ、ハッ......」」
「「ハッ、ハッ、ハッ......」」
『聖経院』の日本庭園に響き渡る6人の笑い声。
エマだけは笑っていなかった。と言うか笑えない。
なんだか......
池で溺れて溶け込んじゃったみたいだけど......
これから先、どうなるんだろう......
不安を隠せない『玄武』の新隊長エマ。
『アマゾネス参上!』と声高らかに宣言し『BAR SHARK』と『EMA探偵事務所』を白昼バズーカ砲で爆破したテロリストが今やエマの部下。
部下がテロリストならば、その頭もテロリストと言う事になる。
本当に大丈夫?
運命とは実に皮肉なものだ......
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