366人が本棚に入れています
本棚に追加
「どこから話そう......まずは富士国か。そうねぇ、簡単に言うと、ここら辺一帯は昔、富士国って言ったの。
大和時代の頃から続いてる歴史ある国らしい。でもここの人達が自分達で勝手に言ってるだけで、勿論日本国がそれを認めてる訳じゃない。
人口にして、過疎化が進んでるらしく、今じゃ凡そ500人。日本の人口1億3千万人って事を考えると、かなりの弱小民族ね。
生活は農業と畜産が中心で、最近じゃ民芸品なんかも売って生計を立てているらしい。
生活は今でも自給自足を貫いているらしく、あまり文明機器を好まないらしい。
見た目はどうかと言うと、なぜかみんな細長い。食べても太らないらしいよ。羨ましいわ......
おまけに指も長い。遺伝子の関係なのかも知れないね。龍貴さんの指見た事ある? すごい長いよ」
「うん、見た事ある。確かに長かった」
「でしょう。だからここの人達は、みんな何やっても器用なんだよね。料理とかメチャメチャ上手いよ。
あと、そうそう......いわゆるこの富士国の土地なんだけど、地下に広大な洞窟が広がってるんだ。そんでこの洞窟が実に怪しい。
情報に寄ると、最近になってある資源だけが頻繁に持ち込まれている」
「ある資源? それって何?」
「ゴム」
「ゴム?!」
「しかもかなり純度の高い奴ばかり」
「ゴムか......何に使ってるんだろ?」
「解らない。それも今調べてるってわけ」
「怪しいな......」
エマは腕組みをして思案。
『富士国』『アマゾネス』『洞窟』『ゴム』
この4つを結びつけるキーワードが全く浮かんでこない。必ず何かとてつも無い事を企んでいるに違い無い。その答えを見付けるには、まだまだ情報が不足していた。
最初のコメントを投稿しよう!