第十五章 四神

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「どこから話そう......まずは富士国か。そうねぇ、簡単に言うと、ここら辺一帯は昔、富士国って言ったの。 大和時代の頃から続いてる歴史ある国らしい。でもここの人達が自分達で勝手に言ってるだけで、勿論日本国がそれを認めてる訳じゃない。 人口にして、過疎化が進んでるらしく、今じゃ凡そ500人。日本の人口1億3千万人って事を考えると、かなりの弱小民族ね。 生活は農業と畜産が中心で、最近じゃ民芸品なんかも売って生計を立てているらしい。 生活は今でも自給自足を貫いているらしく、あまり文明機器を好まないらしい。 見た目はどうかと言うと、なぜかみんな細長い。食べても太らないらしいよ。羨ましいわ...... おまけに指も長い。遺伝子の関係なのかも知れないね。龍貴さんの指見た事ある? すごい長いよ」 「うん、見た事ある。確かに長かった」 「でしょう。だからここの人達は、みんな何やっても器用なんだよね。料理とかメチャメチャ上手いよ。 あと、そうそう......いわゆるこの富士国の土地なんだけど、地下に広大な洞窟が広がってるんだ。そんでこの洞窟が実に怪しい。 情報に寄ると、最近になってある資源だけが頻繁に持ち込まれている」 「ある資源? それって何?」 「ゴム」 「ゴム?!」 「しかもかなり純度の高い奴ばかり」 「ゴムか......何に使ってるんだろ?」 「解らない。それも今調べてるってわけ」 「怪しいな......」 エマは腕組みをして思案。 『富士国』『アマゾネス』『洞窟』『ゴム』 この4つを結びつけるキーワードが全く浮かんでこない。必ず何かとてつも無い事を企んでいるに違い無い。その答えを見付けるには、まだまだ情報が不足していた。
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