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「美緒さん。この先には至る所に防犯カメラが設置されている。あれに映っちまうとちょっと厄介だ。まずは落ち着こう」
圭一は真っ暗闇の中、大木の影から顔だけを出し、その先の様子を伺った。
洞窟の入口までの距離は凡そ200m。昼間トラックで通った一本道が蛇行しながら終点まで続いている。
「道路を歩いて進むのは丸裸同然だ。森を進もう」
「解った......」
圭一は一度地面に置いた大きなリュックを、再び担ぎ上げる。
中身は武器、弾薬、特殊工具、食糧など諸々。凡そ軍隊に戦争を仕掛けられるだけの物は兼ね揃えている。
全ては徹底的な小型化、軽量化が施されており、持ち歩く者の負担が最低限に抑えられていた。
プロがプロデュースしたプロの為のリュックと言っても過言では無い。
「よし、出発だ」
「行きましょう」
時刻はちょうど深夜の12時。
エマと『玄武』の6人が『雷鳴池』の橋で力を確かめ合ったちょうど2日後に当たった。
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