第十六章 仮面

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二人は血相を変えて、互いに見詰め合った。 「今のって......アメリカ大統領......だよな」 「あの不自然な横分けヘアー。間違い無くそうね」 頭の中はもはや爆発寸前。『これは夢の中だ!』そうとでも思わなければ、今現実に起きている事に対し、説明のしようが無い。 そしてその時は訪れた...... それは二人が『やはりこれは夢だった!』そう確信するような決定的瞬間だった。 「わーい、わーい!」 「まてまて!」 踏み切りの向こうから、何やら複数の少女の声が聞こえてくる。 見れば、1、2、3、4、5。 なんと5人の小さな女の子が、鬼ごっこをしながら笑顔でこっちへと、駆け寄って来ているでは無いか。 「今度は子供か......」 「そうみたいね」 度重なる人間の到来に、何となくではあるが免疫が付いて来た二人。もう多少の事では驚かない。 そして徐々に近付いて来る5人の少女達。 20m、10m、5m...... やがて先頭を走る少女の顔が見えて来る。 「!!!」 「!!!」 「まさか......」 「まさか......」 1人目の顔がはっきりと見えた途端、美緒と圭一の目は、裂けんばかりに大きく見開かれた。 やがてその時は訪れた。 二人は同時にその者の名を叫ぶ。 「「ももちゃん!」」 ............ ............ ............ 「でも...... なんで...... ももちゃんが...... 5人いるの」
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