第十七章 玄武

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 ※  ※  ※ 「頭! まだここに一人埋まってる!」 「よしっ、橙! あたしと代われ!」 スキンヘッドの一際美しいその女性は、全身泥まみれになりつつも、六人の部隊を自分の手足の如く自由自在に動かしていた。 「おい緑! そこ離れて紫を助けろ。そろそろ頭の上の土砂が落ちて来るぞ。急げ!」 「了解! そっちに移動します。時間が掛かって悪しからず......なんてな」 吹き荒れる雨風、頭に降り掛かる飛来物をもろともせずに、七人の美女集団は次々と埋もれた村民を救い出して行った。 成り行きとは言え、自分がアマゾネス『玄武』の頭になってから1週間。その立場となって初めて知り得た事は数限り無い。 事件解決に向けて、喉から手が出るような情報も耳入りつつある。暫くはここで『頭』に成り済ましている事が近道。時が来るまでは、役者となり名演技を続けていくつもりだ。 以下は『掟』について自分が記したメモによる。 色々な人から聞いた事を、忘れないうちに全てメモに残しておいた。人間の記憶ほど曖昧なものは無いから。 【1ページ目】 アマゾネスには、絶対に守らなければならない『掟(おきて)』が存在する。その内容は昔からの伝統として、今日まで何一つ変わっていないらしい。 1.『白虎』『玄武』『青龍』『朱雀』の四部隊は、互いに争ってはいけない。 ※四部隊はお互い功を競い合っているライバル同士の関係にあるらしい。表向きは平静を装おっているが、裏では小競り合いが耐えないみたい。とは言え、同じ部隊内においては、どこも仲間意識が強く結束は固い。それは『玄武』でも言える事だ。 現時点での評価は表記の順の通り、 1位 白虎 2位 玄武 3位 青龍 4位 朱雀 と言う事らしい。
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