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この人はマリア様?
それとも魔術師?
目の錯覚かも知れないけど......語り掛けてる時、身体を赤い光が覆っていたような......
あれって......もしかしてオーラ?
よくは解らないけど......うちの『頭』はちょっとヤバイ人かも知れない。何かスケールの違いを感じる。
それにしても......
こんな酷い雨は今までに体験した事が無い。歴史的豪雨と言うだけの事はある。ここまで降る必要があるのだろうか。
雨粒は激しい横風乗って、縦横無尽に飛び交い、彼女らの体力を容赦無く奪っていった。
木にでも掴まっていなければ、モモンガにでもなってどこかへ飛んで行ってしまいそうだ。
そんな向かい風に怯む事も無く、エマは直ぐ様次の手立てへと駒を進めた。
ゆっくりと斜面の下を見下ろし、そして『野戦病院』に集結した『玄武』達に大声を張り上げる。
「おいっ、まだ瓦礫の下に残ってる村民は居るのか?」
「多分もう全員助け出したと思いますよー! そこの少女だけでーす!」
全身泥だらけとなり、妖怪と見紛う姿へと変貌を遂げた『紫』が素早く反応した。
『紫』だけでは無い。
『赤』も『緑』も『橙』も『青』も、そして横にいる『黄』も......
ずぶ濡れ、泥まみれなのに加え、大小に関わらず怪我を負っていない者などは一人も居なかった。全員満身創痍だ。
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