第十七章 玄武

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こいつは自分の娘の命が危険に晒されているのに、一切それを口にしなかった。 『プライベートの事を話してはいけない』 多分そんなくだらないアマゾネスの掟があるからなんだろう...... 掟ってなんだ? 任務ってなんだ? 命令ってなんだ? 組織の一員であるならば、確かにそれはそれで重要。 しかし、それと自分の娘の命を天秤に掛けたらどっちが大事かって?  エマは思う。 組織人としては失格かも知れないが、 目の前で自分の娘の命が危険に晒されてるのに、親だと名乗って堂々と救出出来ないような組織なんてとっとと辞めちまえって! 『黄』の今の気持ちを考えると、もう他人事ではいられない。 この娘は絶対に死なせない! エマは更なる強い決意と共に、俯いていた顔を上げた。目は爛々と輝いている。 「よし、解った! どっかで1m位の頑丈な木を探して来い。テコの原理でこの柱を持ち上げる。泣いてる場合じゃないぞ。時間が無い、急げ!」 「はっ、はい!」
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