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「ウワォー!」
「ヒュー!」
二人は思わず感嘆の声を上げる。
若い男が二人揃って年頃ともなれば、命を狙われるような境遇である事はさておき、煩悩は常に頭の中を駆け巡っているもの。
今、扉の外に立っている者達......
それはニコニコと笑顔を浮かべる4人の浴衣娘だった。更に事もあろうか皆超美人、更にスタイル抜群ときている。
年齢は見たところ20台前半~中盤。二人からしてみれば『お姉様』と言う位置付けになるのだろうか。
彼女らの出現が、彼らの煩悩に火を点けたしまった事は言うまでも無い。
メラメラメラ.....心に灯された炎がまるで目に見えるようだ。
「うわぁ、卓球台よ! ねぇ、やろう、やろう!」
先頭に立っていた女子が卓球台を見付けるなり、すかさず声を上げた。笑顔が実に眩しく見える。
卓球台は全部で2台。1台は空きだ。
「隣、空いてますか?」
「あ、ああ......空いてるよ。ど、どうぞ」
カミカミの健介。動揺を隠せない。
つい先日、美緒の仕掛けたハニートラップにまんまとはまり、手痛い思いをしたばかりのこの男。全く懲りていないようだ。
「ラッキー! さぁ、やるよ!」
パコーン。
パコーン。
パコーン。
パコーン。
キャピキャピ言いながら、無邪気に卓球を楽しむ浴衣女子4人。
それを横目で見詰める未来と健介。隣が気になって全く卓球に集中出来ていない。
バコッ。
「あっ、しまった!」
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