第十八章 獅虎豹鷹 朱雀 

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こっ、これは完璧だ! 神はまだ俺達を見捨てていない! で...... どっちが先に見る? うーん、やっぱここは公平に...... ジャンケン......か? よしっ、それでいこう! 敷居板は思いの外薄い。喋り声はほぼ筒抜けだ。 ゼスチャーだけで、そんな会話を成立させる二人に賛辞を送ってやりたい。読唇術を得意とする美緒もびっくりだ。 じゃ、始めよう! あっ、ジャンケンポイ! 未来はパー。 健介はチョキ。 結果は、 健介の勝ち! 「よっしゃあ!」 健介は全裸である事も忘れ、全身でガッツポーズ。赤く腫れたものが振り子のようにブラブラ揺れている。この際、自分の事などはどうでもいいのだろう。 そんな若い二人を、冷ややかな目で見詰めるポールとマスターと日本猿の親子。 しらけムードは隠せない。 そんなギャラリーの視線などお構い無しの健介は、興奮した顔つきでゆっくりと視線を穴に近付けていく。 そして遂に目は穴に当てられた! ............ ............ ............
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