第十八章 獅虎豹鷹 朱雀 

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「おい、何固まってんだ?」 リアクションが薄い健介に対し、未来は訝しい表情を浮かべて問い掛けた。 「何も見えん...... 」 「いや、そんな訳無いだろう。よく見ろよ」 「ん、何だ?......あれ? もしかしてこれって......」 顔が見る見るうちに、干し柿のように渋くなっていく。 健介の様子を見る限り、凡そ自分が期待していたようなパラダイスが見えてる訳では無さそうだ。 一体何が見えてるってんだ? なんか凄い嫌な予感がするんだけど...... 未来は思わず首にぶら下がった御守りを力強く握り締めた。 その時だ。 突然健介の目がクワッと見開いたかと思えば、次の瞬間には大声を立ち上げていた。  「目......目玉だ......やっ、ヤバイ! むっ、向こうからもこっち見てやがる! ひえー!!!」 健介は思わず腰を抜かし、情けない姿で後退りする。 そして、 バコンッ! バリバリッ! 突如、敷居板が激しく砕け散り、物凄い音が立ち上がった。女子側から蹴破ったようだ。 バタバタバタッ! 「なっ、なんだ? なんだ?!」
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