第十八章 獅虎豹鷹 朱雀 

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「オ、オイ、未来君......こ、これは......どういうコト?」 「お、お前......な、何か......か、隠してたな」 「い、いや......別に.....か、隠してた......訳......では......」 「お前......最低......」 皆が苦痛に顔を歪める中、ポールは壁に手をつき、一人立ち上がった。完全に千鳥足だ。気力以外の何物でも無い。 「まだ動かない方がいい......じきに......回復するから」 「そんな時間はナイデス......奴等から......メモリーカードを......取り戻しにイキマス」 「無理だ......そんな身体で行ったって......返り討ちに合う......だけだぞ」 「エマサン達が......必死に戦っているノニ......自分だけが下手ウッテ......休んでラレル訳......無いデショウ」 「......」 マスターはそれ以上何も声を掛けなかった。と言うよりかは、それ以上何も言えなかった。 こう見えて、人一倍責任感が強い男。ポールの気持ちは痛い程よく解る。 無茶だけはしないでくれよ...... 切にそう願うばかりだった。  やがてポールは、言う事を聞かない身体にムチを打ちながら、フラフラと風呂場を後にして行った。 アマゾネスを追って......
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