第十八章 獅虎豹鷹 朱雀 

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 ※  ※  ※ ゴー...... 小雪舞う山道を走り抜けて行く1台の黒いワンボックスカー。 右へ左へと蛇行する山道を、手慣れたハンドル捌きで颯爽と突き進んで行く。 「『頭』そのメモリーカード中身は一体何なんですか?」 後部座席から身を乗り出して、ハンドルを握る『頭』に声を掛ける年若き女性。 「そんなの知らないよ。私達はこいつを持ち帰って来いと命令されたから持ち帰っただけだ。余計な事は知らない方が『富士国』の為だし、私達の為でもある。詮索はするな『虎子』」 『頭』は実に無表情。全裸でポールらに叫んでいる時も実は無表情だった。任務中は自らマシーンに徹しているのだろう。 「でも『頭』、奴ら生かしといて良かったんですか? 取り返しに来やしないですかね」 助手席に座る『獅子美』は心配顔だ。 「私達は無差別殺人鬼か? 違うだろ。殺しの命令は出ていない。それにあれだけ感電させたんだ。そうすぐに追っては来れないよ。もし追ってきたらその時は殺すだけだ」 「ですよね......」 「......」 「......」 車に乗る4人は、浴衣姿でも勿論裸でも無かった。OLスーツ......まさにその装いだ。彼女らのスタンダードなのだろう。 彼女らの中に聖経院出身者は居ないようだ。スキンヘッドにスーツは似合わない。
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