第十八章 獅虎豹鷹 朱雀 

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『黄』と愛娘は、その後奇跡的に救出され、今生を長らえている。 それに対し、エマの亡骸は未だ発見されていない。恐らく大量の土砂と共に、すぐ下を流れる河川に運ばれて、そのまま濁流に飲み込まれたものと推測される。 河川の300m下流には、落差50mの滝が存在し、そこから落下していれば、今頃五体は粉砕されている事だろう。 もはや生存している可能性は、限り無くゼロに近いと言っても過言では無かった。 拠点である事務所は破壊され、美緒と圭一は『マンタ洞窟』で身動きが取れなくなり、ポールは今や立つのもやっとの状態。そしてエマに至っては、生存すら危ぶまれているこの状況。 現時点において『EMA探偵事務所』は正に壊滅的と言っても過言では無かった。  帝徳ホテルにおける騒動の直後、マスターはこんな事を言っていた。 『今度の相手はちと皆さんの手に余るのでは?』 そんな忠告が今更ながらに思い出される。このまま何も出来ずに、4人は滅び去ってしまうのか? 4人の再起を祈るばかりだ。
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