第二十一章 Dr.八雲 

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兄の秋葉大地は、本土から隔離された『極神島』にて、違法な臓器売買を繰り返していたが、エマ達に証拠を握られ失脚する。 警察の捜査が自分にも及ぶ事を恐れ、弟の秀樹は口封じの為、兄の大地をヘリコプターから太平洋の大海原に突き落とすと言う荒行に出た。それは正にトカゲの尻尾切りだった。 誰もが秋葉大地は死んだ......そう思っていた。 しかし秋葉大地は死んでいなかった...... 途中サメに襲われて、右足を失いはしたものの、奇遇にも通り掛かった漁船に拾われ、その一命を取り留めていた。 自分を亡き者にしようとした実の弟である秀樹への『復讐心』 大地のそんな強烈な怨念が、終え掛けた彼の『天寿』に待ったを掛けたのかも知れない。 血を分けた実の弟、秀樹! 俺は絶対に許さない。お前を滅ぼす為に地獄から舞い戻って来たんだ! あの時ヘリコプターの中で俺を撃ち抜かなかった事を後悔させてやる! 八雲、いや秋葉大地は、やがて深い眠りに就く『牧子』の顔に鋭い視線を向けた。 柊恵摩...... 元はと言えば、お前らが極神島にやって来たから、こんな事になっちまったんだ。 正直、今ここでお前を殺す事は簡単だ。治療が間に合わなかったとでも何とでも言える。アマゾネスの連中に恨みを買う事も無かろう。 しかしお前を殺すのは今じゃ無い。秋葉秀樹を滅ぼした後だ。 おまえにはまだ働いて貰わなきゃならん。その為には、いつまでも『羽黒家』の嫁でいられちゃ困る。 柊恵摩にとっとと戻って貰わにゃあ......
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