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人間と言うものは......
大事な人を失うと、
その人と過ごした大事な時間を思い出し、涙が止まらなくなる。
しかし、
その人と過ごせた事が幸せだったと感じれた瞬間から、人は新たな第一歩を踏み始める。
この人は必ずこの大きな壁を乗り越えて、また新たな一歩を踏み始めてくれる.......
エマは切にそれを願い、またそう信じて止まなかった。
お母さん.....
そして
天国の勝也さん......
さようなら......
エマはゆっくりと立ち上がった。休んでいる暇などは無い。なぜなら彼女には、神から与えられた使命があるからだ。
「かっ、頭! 大変です!」
突然背後から声が掛かる。
「どうした?!」
慌てて振り返るエマ。
「『聖教院』に公安のスパイが紛れ込んでいました。現在その者は逃走中です。
我々『玄武』と『朱雀』に、その者の殺害指令が下りました! 『頭』......身体はいけますか?!」
そう声を掛けて来た2人。それは他でも無い。『赤』と『黄』だった。
「なんだと......!」
『聖教院』に公安スパイだって?!
たっ、珠(たまき)さん!
それまで仏とも言えたエマの顔が、見る見るうちに阿修羅の顔へと変貌を遂げていく。
珠さんを死なせる訳にはいかない!
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