第二十一章 Dr.八雲 

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人間と言うものは...... 大事な人を失うと、 その人と過ごした大事な時間を思い出し、涙が止まらなくなる。 しかし、 その人と過ごせた事が幸せだったと感じれた瞬間から、人は新たな第一歩を踏み始める。 この人は必ずこの大きな壁を乗り越えて、また新たな一歩を踏み始めてくれる....... エマは切にそれを願い、またそう信じて止まなかった。 お母さん..... そして 天国の勝也さん...... さようなら...... エマはゆっくりと立ち上がった。休んでいる暇などは無い。なぜなら彼女には、神から与えられた使命があるからだ。 「かっ、頭! 大変です!」 突然背後から声が掛かる。 「どうした?!」 慌てて振り返るエマ。 「『聖教院』に公安のスパイが紛れ込んでいました。現在その者は逃走中です。 我々『玄武』と『朱雀』に、その者の殺害指令が下りました! 『頭』......身体はいけますか?!」 そう声を掛けて来た2人。それは他でも無い。『赤』と『黄』だった。 「なんだと......!」 『聖教院』に公安スパイだって?! たっ、珠(たまき)さん! それまで仏とも言えたエマの顔が、見る見るうちに阿修羅の顔へと変貌を遂げていく。 珠さんを死なせる訳にはいかない!
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