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カーブを曲がる度に灯る赤いテールランプを、ひたすら追い続ける1台の四駆車両。
ブウォー......
左ハンドルのその車は、急勾配をもろともせずに、重低音を響かせながら余裕の走りを披露し続ける。
蛇行を繰り返すヒルクライムともなれば、高排気量の四駆は俄然有利だ。
ヤット追い付いたゾ......
旅館の露天風呂でアマゾネス『朱雀』に急襲され、未来が首に掛けていた出雲大社の御守りを奪い取られたポール。
御守りの中に、重要情報が詰め込まれたメモリーが隠されていた事は、言うまでも無い。
絶対に取り返してやる!
エマさん、圭一さん、美緒さん......みんなが命を掛けて闘っている時に、自分だけが下手を打ってる場合では無い。
アマゾネス『朱雀』の車両を追い掛けるポールの目には、正に執念の炎が点されていた。
そんな燃え上がる闘志とは裏腹に、ポールの装備と言えば、小型拳銃1丁のみ。
それに対し敵の『朱雀』は恐らく、銃、ライフル、バズーカ砲、手榴弾......フル装備の精鋭が4人。
追い付いたところで、バトルになれば勝ち目は無い。ここは慎重な行動が求められる場面だ。
ポールは『朱雀』のテールランプを視界に捕らえた時点で、それ以上は近付く事をせずに、一定の距離を保ちながら追尾を続けた。迂闊には近寄れない。
根気よく後をつけていれば、必ずいつかチャンスはやって来る!
ポールは来るべき時に備え、鋭気を養いながら、ひたすら赤いテールランプを追い続けた。
やがて山道は、大きく左にカーブを始めた。そしてそれはカーブを曲がり切った時に突然起こった。
!!!
なんと!
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