第二十二章 珠(たまき)の結末

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アマゾネスの追跡も、車が使えなくなってしまった以上、一旦は断念せざるを得ない状況。 ここはこの人を救う事に集中するしか無い。 ではどうする? 道路に出て助けを求めるしか無いか...... とは言え、山道にして、この時間...... 果たして車なんかが通るのだろうか? 正直期待は持てない。しかしそれくらいしかこの尼を救う手立ては見付からなかった。 何もしないでこのまま出血多量で死ぬのを待つ訳にもいかないし...... よしっ! ポールは立ち上がる。 「チョットここで待ってテ。今、助けを呼んでクルカラ」 ボールは決心を固めると、道路へ向かって走り始めた。自分の額から血が流れている事など、もうすっかり忘れているようだ。 一方その様子に気付いた尼は...... 「行っちゃダメ! ここに居て!」 なぜだか慌てふためき始める。 「ハァッ、なに?」 「いいから戻って!」 ポールを呼び止める女性の顔は真面目そのもの。その顔に1パーセントも冗談は含まれていなかった。 「......」 「お願いだから......」 見れば、今にも泣き出しそうな表情を浮かべているではないか。 「......」 ポールはいきり立った気持ちを一旦静め、是非も無し......そんな表情を浮かべながら、女性の元に戻り始めた。 エマを知り、そしてその身分までも知る尼...... その尼は何者かに足を銃で射抜かれ、今、瀕死の重症を負っている。 ポールを必死に呼び止めるその追い詰められた表情を見れば、誰かに追われている事くらいは容易に想像が出来た。 まずは話を聞こう......
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