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尼のすぐ横にどっぷりと腰を降ろす。
何も話せません......
そんな話で済ませるつもりは無い。
自慢の四駆はお釈迦となり、アマゾネスの追跡も断念せざるを得なくなった。これは自分にとっても『EMA探偵事務所』にとっても大打撃。
自分には全てを聞く権利があり、この尼には全てを話す義務がある。
早速、ポールはその権利の行使を始めた。
「ちゃんとハナシテ」
ポールは鋭い視線を尼に向けた。
「解りました......話さない訳にもいきませんよね......私は珠、幸田珠(こうだたまき)と言います。公安中部支部に所属しています。
『富士国』の秘密を探る為、『聖教院』に尼として潜入。エマさんと知り合ったのもこの場所です。
スパイ活動も怪しまれる事無く、順風満帆に進んでいたのですが......本部との連絡手段として使っていた鳩に気付かれ、アジトを見付けられてしまいました。
途端に追われる身となり、気付けばこの様です。どうやらその後私を抹殺する為に『富士国』の精鋭部隊『アマゾネス』が召集されたらしい......
本当に情けない......もしエマさんが生きていたら会わす顔がありません」
そこまで話すと、珠は静かに視線を落とした。気付けば目に涙を浮かべている。
!!!
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