第二十二章 珠(たまき)の結末

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「オイオイ、チョット待ってくれ! ナニその話?まるでエマサンが死んじゃったみたいじゃナイカ?!」 ポールは顔を紅潮させ、珠に詰め寄った。 「えっ、知らないんですか?」 珠の方こそ驚き顔だ。 「シラナイって......それどう言う事ナンダ?!」 気付けばポールは、珠の襟首を両手で掴んでいた。エマの事となると、どうしても感情をコントロール出来なくなる性分だ。 「ちょっと苦しい! これじゃ話したくても話せないでしょう!」 ポールが女性に対し、このような行動に出る事は珍しい。よっぽど取り乱したのであろう。 「スッ、スマナイ......」 相手は女性、しかも怪我人だ。ポールは突然我に返り、珠の襟首を掴んでいた手を放す。 「そう......何も聞いてないんですか......なら尚更話しておかないといけないですね...... では、落ち着いて聞いて下さい...... いいですか...... ............ エマさんはすでに『死んだ』とされています!」 「なんだって!!!」 ポールの顔から一気に血の気が引いていく。完全に頭の中はパニック状態だ。 そんなポールの慌てふためいた様子を裏腹に、珠は淡々と話を続けていく。 エマが『アマゾネス 玄武』の『頭』になった事。 エマの部隊が先日の嵐で村民の救出にあたった事。 その際、エマが土砂崩れに巻き込まれた事。 恐らく『祠の滝』から落ちた事。 そして『祠の滝』から落ちて、過去に生きていた者は居ない事。 珠はエマの生存の可能性が極めて薄いと言う根拠を、脚色する事無く、有りのままをポールに話して聞かせた。
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