第二十二章 珠(たまき)の結末

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そして『頭』より先に口を開いたのは、 その者だった。 「撃ちたきゃ撃てばいい......但し、アマゾネス同士の殺生は厳罰だ。 それを犯すだけの覚悟は出来てるんだな......ならば話は早い! 『富士国』精鋭、天下の『アマゾネス』、『玄武』の長、恵摩の頭を撃てるもんなら、今ここで撃って見せろ!!! 」 真っ赤なオーラに包み込まれた身体。 そこから発せられた雷は、瞬時に4人の身体を完膚無きまでに痺れさせた。 銃口を4人に向けられて、ここまで啖呵を切れる人間など他には居ない。 『祠の村』から珠のピンチを知り、電光石火駆け付けて来たエマだった。 まだアナフィラキシーショックから、完全に復活した訳では無い。しかし、このような緊迫した状況でそんな弱味を見せるエマでも無かった。 「あわわわわ......」 雷に打ちしだかれた『朱雀』は、ただ唇をブルブルと震わせている。 そんな中、『頭』の思考だけは冷静だった。 悔しいが...... この者の言っている事は筋が通っている。 撃ち殺すなんて出来る訳が無い。 残念ながら...... 今日のところは完敗だ。 但し、この借りは必ず倍返ししてやる! 『頭』はそんな感情を見事に打消し、爽やかな笑顔。 そして永遠に続くと思われた沈黙を打ち破る。
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