第二十二章 珠(たまき)の結末

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「『玄武』様の力のお蔭で、見事『富士国』の災いを取り除く事が出来ました。 我々も『富士国』民の端くれ。これを喜ばずにはいられましょうか。 貴殿のようなお力、そして度量を持たれたお方が、我らアマゾネスに在籍されている事は、正に頼もしい限りでございます。 これからも『富士国』の繁栄の為、共に忠誠を尽くして参りましょう。 それと......少し気になったのですが、他の『玄武』の皆様方はどちらでお迷いに? 先程からお姿が見えないもので。 お頭様が一人お手柄を立てられていると言うのに、どうしちゃったのでしょう......お頭様とは随分お力に差があるようで。 あっ、余計な事ですね。口が滑らか過ぎたようです..... それでは......この辺で我々は失礼致します。またお会いする事もあるでしょう。 他の『精鋭様』達にも宜しくお伝え下さい。ではご武運を!」 頭である『虎子』は別れの儀を述べると、エマの言葉を待つ事無く、あっさりとその場を立ち去って行った。 『獅子音』『豹美』『鷹奈』も歯軋りしながら、その後に続いていく。 『虎子』も 精一杯の強がりだったに違いない。 次こそは! そんな決意の念がひしひしと伝わってくる演説だった。 結構皮肉ってくれるじゃないか...... まぁ、諦めて帰ってくれれば、それでよし。 そうだっ! 4人の姿が完全に見えなくなると、エマは思い出したかのように振り返った。 「珠さん!」
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