第二十二章 珠(たまき)の結末

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あいつも中々やるな...... 今頃どっかでアマゾネスを待ち伏せてんだろうな......とっくに居なくなってるのに。 あいつらしいや...... 正直、ポールを探しに行きたい。しかし、今はそれより先にやらなければならない事があった。 それは...... この未来ある若者の命を失わせない事だった。 「さぁ、珠さん。出発だ」 エマは珠の身体を抱き起こし、背負おうとしたその時だった。 ザッ、ザッ、ザッ...... ザッ、ザッ、ザッ...... 再び足音が背後に忍び寄る。 ザッ、ザッ、ザッ...... ザッ、ザッ、ザッ...... エマの身体がピンと張り詰める。 奴らが戻って来たのか?! 即座に珠を寝かせ、銃を構える。突然の臨戦態勢だ。 ザッ、ザッ、ザッ...... ザッ、ザッ、ザッ...... 足音が身近に。 間もなくその姿を現す事であろう。 今エマ達を取り囲もうとしている集団...... それは立ち去った『朱雀』の比では無かった。 もっと強く、 そして...... もっと切ない者達だった。
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