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やがて足音が止まる。
「......」
「......」
無言で見詰め合うエマとその者達。
赤、青、黄、紫、緑、橙
12個の目は、全て鋭く、そして切なかった。
「『頭』、さすがです。今『頭』は誰よりも早くスパイを見付け、命令通りその虫けらを殺す所とお見受けしました」
そんな言葉を投げる『赤』
一方、エマ。
「.....」
唇を噛み締め、無言を貫く。
銃口を下ろす気配は無い。
「さぁ『頭』。早くその銃でそいつを撃ち殺して下さい。我々の見ている前で。そうで無いと...... 」
『赤』はそこまで言い掛けると、思わず口をつぐんだ。銃を握る右手に思わず力が入る。
「そうで無いと......どうするつもりだ?」
銃口は『赤』に向けられた。
一触即発。そんな空気だ。
「本意ではありませんが......あなたを処置する事になります。
『頭』......
我々は皆、あなたの部下である事に誇りを持っています。そしてあなたと共に、死ぬまで一緒に戦って行く事を誓っています。
どうかこの気持ちを裏切らないで欲しい。そして我々に引き金を引かせないで欲しい......無理なお願いでしょうか?『頭』」
『赤』の目には溢れんばかりの涙が溜まっていた。
『玄武』の6人は、エマが土砂崩れに飲み込まれた後、生きている事を疑わず、明けても暮れてもエマの姿を探し求めていた。この数日間、殆ど誰も睡眠を取っていない。
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