第二十二章 珠(たまき)の結末

26/31

367人が本棚に入れています
本棚に追加
/1040ページ
「そうですか......残念です!」 そう叫んだ『赤』の顔は、まるで、炎、爆発、雷、怒り、そして悲しみ...... あらゆる壊滅的自然現象、感情が入り混じった例えようの無い表情が浮かび上がっていた。 引き金に触れる人差し指に力が入る。 そして『赤』『青』『緑』『紫』『橙』の銃口は、いよいよエマの顔に...... しかし...... 一人だけは違った。 「みんな、銃を下ろして!」 突然沈黙を打ち破る。 なんと『黄』の銃口だけは、エマでは無く『赤』の頭にロックオン! 距離にして30センチ。 外したくても外せない距離だ。 「「『黄!』」」 エマ、そして『赤』は思わずその名を叫ぶ。 「『黄』じゃない......私には名前がある。 斉木遥(さいきはるか)って親から貰った大事な名。 なんで名前で呼び合っちゃいけないの?っていつも疑問に思ってた。 私達は、確かにアマゾネス...... でもその前に人間なんだ!って。 その事を『頭』、いやエマさんから学びました。 私にとって今一番大事な事は、アマゾネスの掟や任務じゃ無い。 私と私の娘の命を救ってくれたエマさんの恩義に報いる事。それに勝るものは有りません。 私......絶対間違って無いと思う。 だから、 みんな銃を捨てて!  さもなければ『赤』の頭を撃ちます。 私は本気です。さぁ、早く!」
/1040ページ

最初のコメントを投稿しよう!

367人が本棚に入れています
本棚に追加