第二十二章 珠(たまき)の結末

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『青』『緑』『紫』『橙』 4人は互いに顔を見合わせる。 気でも狂ったのか? 信じられないような表情だ。 『赤』 目を瞑り、石となる。 まさかこの『黄』の奇行を、予め予期していたとでも言うのだろうか? 驚く程に冷静だ。 そして『エマ』 すでに死を覚悟しているとでも言うのか? 『無心』......そんな表現がぴったりな表情を浮かべている。 ............ ............ ............ やがて...... 一人が銃口を下ろす。 すると、 皆もそれに従う。 ............ ............ ............ 今、ここにジャッジは下された。 残った銃口は2つ。 その銃口は、いずれも『赤』の頭に向けられていた。 状況は一変。それは神が起こした大風が、エマへの追い風となった瞬間だった。 「さぁ、エマさん。その人を連れて、早く逃げて下さい。猶予は有りません!」 『黄』、いや遥は決死の形相で叫ぶ。銃口は未だしっかりと『赤』の頭を捕らえていた。 エマは『赤』に向けていた銃口を下ろし、そして語る。 「解った......そうさせて貰うよ。お前の機転に感謝する。 あと遥......だったな。お前もあたしと同じこの『富士国』じゃお尋ね者になっちまった。 どうする? あたしに着いてくるか?」 すると『黄』は首を横に振りながら苦笑い。是非も無し。そんな表情だ。
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