第二十二章 珠(たまき)の結末

30/31

367人が本棚に入れています
本棚に追加
/1040ページ
やがて、 『黄』は静かに目を瞑る。 そして...... ゆっくりと...... 銃口を...... こめかみに当てた。 さようなら...... ............ ............ ............ そして、 バンッ! 銃口から放たれた銃弾は、『黄』の頭蓋骨を割り、即座に脳髄を破裂させた。 そして飛び散る血液は、4人の顔を朱に染める。 バサッ。 すでに魂が抜けた塊は、大きな音を立てて4人の足元に転がった。 それはエマの為、『玄武』の存続の為、小さな娘を残し、一人犠牲となった『黄』の最期だった。 「よしっ、謀反人のこの女は、犯した罪を悔いて、今自らの命を絶った。生きる価値の無い人間だ。 我々に休息の時間は無い。屍はそのまま放置。すぐに任務の継続に入る。行くぞ!」 「「「了解!」」」 『赤』の号令の元、『玄武』は顔を引き締め直し、再び走り出す。 『黄』...... 安らかに眠ってくれ...... 『赤』は心の中では号泣していても、涙は決して見せなかった。 それがアマゾネス......だった。 世の中、何が『善』で何が『悪』なのか? それを決めるのはアマゾネスでも無ければ、人間でも無い。 その行動が『善』だったなら、 その者には『神』が新たな道を開いてくれるだろう。 もしその行動が『悪』だったなら、 その者には『神』が必ず天罰を下すだろう。 いずれ彼女らにもジャッジは下る。 それだけは間違い無かった。 ............ ............
/1040ページ

最初のコメントを投稿しよう!

367人が本棚に入れています
本棚に追加