第二十三章 FIELD

3/28

366人が本棚に入れています
本棚に追加
/1040ページ
プシュン! 「なっ、なんだ?!」 プシュン! プシュン! 「やばい、銃撃だ! 隠れろ!」 なんと、四方から放たれた銃弾が、次々と自分等の頭を掠めていくではないか。 「ちょっとあんた達、起きなさいよ! 蜂の巣にされたいの?! ほら早く!」 美緒は血相を変えて、喚き散らず。 プシュン、プシュン! プシュン、プシュン! 「「なんだ、なんだ?」」 動物、鳥類の鳴き声にも全く反応しなかった眠り人達ではあったが、銃弾の嵐にはさすがに目を覚まさざるを得なかったようだ。 四人は鉛の玉を引き摺りながら、必死に木の影へと移動を開始する。 1歩足を踏み出すごとに、鎖が繋がれた足首に激痛が走る。 「痛たたた......!」 やがて逃げ遅れた博士の一人が、 プシュン! ピシッ! 「うわぁ!」 首から血を吹き出しながら転げ落ちた。あっさりご臨終だ。 「奴ら本気で撃ち殺すつもりだぞ!」 「このままだと、いつかは必ず殺られるわね」 プシュン、プシュン! プシュン、プシュン! 相変わらず銃弾の嵐は、収まる気配を見せない。 3人は丸腰。 しかも足には鉛の玉。 森の中でも、やけに目立つ真っ赤な衣服。 木の影に隠れ、一旦は難を逃れたような状況ではあるが、ここが蹂躙されるのも時間の問題。 かと言って、逃げようにも鉛の玉がそれを容易に許してはくれない。 すると、 「FIELD」 生き残った博士がポツリと呟いた。 「なんだって?」 圭一が聞き返す。 「FIELDだ!」 「FIELD?」 「そうだ......もう絶対ダメだ」
/1040ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加