第二十三章 FIELD

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「だから何なのよ、その『FIELD』って?! それに絶対ダメって......どう言う事なの?!」 美緒も我慢の限界が来たようだ。博士の襟首を掴み上げ、いつしか鬼の形相に変貌していた。 「くっ、苦しい......『FIELD』とは...... ............ ............ ............」 この場所がどこなのか? 何で足に鉛の玉が繋がれているのか? そして何で真っ赤な服を着させられているのか? その謎が一気に解けた瞬間だった。 「「なっ、何だって?!」」 美緒と圭一の二人は、博士の言に耳を疑った。 時刻は刻々と過ぎていく...... 今日の夕方5時になれば、最愛の『もも』は焼却炉に連れていかれる。彼らはその事を『ピクニック』と呼んでいるようだ。 残された時間はすでに12時間を切っていた。こんな所で足踏みをしている場合では無かった。 しかし無情にも、時間は刻々と過ぎていく...... 破滅へと向かって...... お母さん......助けて...... 目を瞑れば、悲しそうな表情で訴え掛ける『もも』の顔が浮かんで来る。 ももちゃん待っててね...... お母さん今からミサイルになって、あなたの所に飛んで行くからね...... その時の美緒の顔、そして目は、完全に常軌を逸していた。完全にスイッチが入っている。 ニトロが投入されたドラッグカーに、もしブレーキが付いていなかったらどうなる?  その答えは、 『暴走』だった。
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