第二十三章 FIELD

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「はい。イベントと言っても大した事では有りません。ただの予行練習です。 皆さんにまずは人殺しを体験して頂きます。人数に合わせてちゃんと無抵抗な『的』を4人用意していますからご安心を。 実はですね......人殺しってたまらなく楽しいんですよ。私なんかもう病み付きです。常に殺したくてうずうずしています。 パンッ!って撃って、人一人の大事な人生を強制的に一瞬で終わらせちゃうんですよ。 みんな恨めしそうな顔で、見詰めてくれるんです......そいつの人生最後に見た顔が私になんですよ。もう思い出しただけでヨダレが出て来ちゃいます。 皆さんにもそんな人殺しの快感を味わって頂き、その喜びを体感して頂きたいんです。そうすれば、人なんか誰でも簡単に殺せるようになりますから。 まあ、初めての試みになるんで、どうなるかは解りませんがね......どうですか? とにかく素晴らしいイベントでしょう」 回りくどい言い方はしているが、簡単に言うと、本番で日和られると困るから、その前に1回人を殺しとけって事なのだろう。 一方、予行練習で殺される人間の立場からすると、そんなのたまったものでは無い。 『おいおい勘弁してくれよ!』  きっとそんな心境になるであろう。   ※  ※  ※ 一方、樹海の森の中では、 「おいおい勘弁してくれよ!」 圭一が博士の説明に、思わずボヤいていた。
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