第二十三章 FIELD

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「見えた!って......一体何が見えたんだ?」 突然の雄叫びに圭一が狼狽える。博士に至っては、鳩が豆鉄砲を喰らったような表情を浮かべている。 「20分も有れば十分ね。ちょっと足が重いけど、死ぬ気になって私の設計図通りに動きなさい。ここは大自然の宝庫......楽勝よ」 「はぁ.......」 「何の事だか......」 圭一と博士は、美緒の考えが全く見えて来ない。2人揃って???顔だ。 美緒の脳内細胞は、なに人足りとも計り知る事が出来ない、極めて複雑怪奇な構造となっている。 常に他人とは違う視点で物事を見極める能力は、美緒の専売特許と化していた。 そんな美緒の才能を、過去に何度も目の当たりにして来た圭一はと言うと...... 今回も何とかなりそうだな.......などと安易に考えてしまう程だった。 「さあ、始めるわよ!」 「へい」 「へい」 ............ ............ 良くは解らないが、取り敢えずは美緒の奇才に掛けるしか無い。 美緒の描いた逆転の『設計図』に従い、行動を起こし始める3人。 最強の攻撃力を誇る圭一。 最強の洞察力、記憶力、応用力を誇る美緒。 そして、 『マンタ洞窟』を全て知り尽くした博士。 この3者が今ここに集結している事を忘れてはならない。 美緒が見えたもの...... それは他でも無い。 『もも』の笑顔だった。
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