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※ ※ ※
「やったー! 当たった! 当たったぞ!」
生まれて初めて発した銃弾の手応えに、歓喜の表情を浮かべる初老の男。
お前は本当に自殺志願者なのか?
誰しもが疑うような実に垢抜けない喜び方だ。
遥か遠くに見える赤い『的』から、命中の合図とも言える血の噴水が立ち上がっている。
「俺も!」
「私も!」
パンッ、パンッ、パンッ!
パンッ、パンッ、パンッ!
取り巻きの3人も、負けじと目の色を変えて撃ちまくる。
「逃げたぞ。追い駆けろ!」
パンッ、パンッ、パンッ!
パンッ、パンッ、パンッ!
朝日を背に受けながら、4人の自殺志願者達は、俗世の憂鬱を忘れ、『的』を撃ち殺すべく、普段見せた事の無いような馬力で森の中を駆け抜けて行く。
「ちょっと待て、あそこ、あそこ!」
若い男が急ブレーキを掛けて、指を指す。何をそんなに興奮しているのか? 顔が真っ赤だ。
見れば一際目立つ大木の影に、チラチラと風に靡く赤いものが......
フッ、フッ、フッ......
4人は薄笑いを浮かべながら、抜き足、差し足、忍び足......
かくれんぼの鬼にでもなったつもりでいるのだろうか。気配を圧し殺しながら、ゆっくりと近付いて行く。
そして大木の裏に辿り着くと、
せえーの!
「みーつけた!」
バンッ、パンッ、パンッ!
パンッ、パンッ、パンッ!
大木の前に躍り出て、一斉連射!
............
............
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